(09)  花の色は 移りにけりな いたづらに
    我が身世にふる ながめせしまに(小野小町)

     (歌意)   桜の花の色は空しく色褪せてしまった。長雨が降り続く間に。
         同じように、私の容姿も空しく衰えてしまった。
         物思いにふけっている間に。

         The blossom’s tint is washed away
         By heavy showers of rain;
         My charms, which once I prized so much,
         Are also on the wane, –
         Both bloomed, alas! in vain.    KOMACHI ONO



美女の代名詞である小野小町の邸宅跡は、京都山科の随心院とされているが深草少将の百夜通い伝説や、はねず色のイメージから、宇治平等院が相応しいと思い、それを使った創作風景にしました。
百夜通い(ももよかよい)とは、小野小町に熱心に求愛する深草少将。小町は彼の愛を鬱陶しく思っていたため、自分の事をあきらめさせようと「私のもとへ百夜通ったなら、あなたの意のままになろう」と彼に告げる。それを真に受けた少将はそれから小町の邸宅へ毎晩通うが、思いを遂げられないまま最後の雪の夜に息絶えた。   ウィキペディアより