(04)  田子の浦に 打出てみれば 白妙の 
     ふじの高嶺に 雪は降りつつ(山部赤人)

       (歌意) 田子ノ浦の海辺に出て見渡すと、富士山の頂きには真っ白い雪が
            降り積もっているなあ。

           I started off along the shore,
           The sea shore at Tago,
           And saw the white and glist’ning peak
           Of Fuji all aglow
           Through falling flakes of snow.   AKAHITO YAMABE

山部赤人は美しい自然の情景を詠むのを得意とした下級役人で、関東や四国(当時はかなりの僻地)などへ派遣されており、この歌も駿河湾あたりに公務で訪れた時に、富士山の雄大さに感動して詠んだ歌だそうです。確かに普段見ることのない富士山を、好条件下で見ると感動を覚える山です。私は山頂のお鉢巡りも体験したこともあるので、色々と思い出されますが、やはり富士山は登る山というより、見る山ですね。