(03)  足引の 山鳥の尾の しだり尾の 
         ながながし夜を ひとりかもねむ(柿本人麻呂)

              (歌意)夜は独り寝すると言われる山鳥の長く垂れ下がっている尾のように
                           長い長い秋の夜を私もひとり寝るのかなあ。

        Long is the mountain pheasant’s tail
        That curves down in its flight;
        But longer still, it seems to me,
        Left in my lonely plight,
        Is this unending night.   THE NOBLEMAN KAKI-NO-MOTO

柿本人麻呂の作とされているが定かでないようです。「〜の」という言葉が4回続き、これを繰り返すことによって、歌にリズムを付けています。
キジ科の山鳥は、雄と雌が離れて眠る習性があることから、「一人寝の寂しさ」を表現する例えとして使われることが多いようです。 写真の下方部の山中には、別々に離れて眠っている山鳥を想像しながら詠んでみてください。
柿本人麻呂は、全国各地の「柿本神社」に祀られており、和歌の上達は勿論、火災除け(火止まる)や安産(人産まる)にもご利益があるそうです。