(22)  吹くからに 秋の草木の しをるれば
     むべ山風を あらしといふらむ (文屋康秀)

    (歌意)吹き降ろすと、たちまち秋の草木が萎れてしまう。
        なるほど、それで山から吹き降ろす風のことを
       「嵐」と言うのだろう。       文屋康秀

        The mountain wind in autumn time
        Is well called ‘hurricane’;
        Is hurries canes and twigs along,
        And whirls them o’er the plain
        To scatter them again.        YASUHIDE FUNYA



文屋康秀は六歌仙の一人だが下級の役人でした。平安時代前期に活躍したそうですが、経歴はよくわからないそうです。
六歌仙
(ろっかせん)とは、古今和歌集の序文に記された六人の代表的な歌人のこと。
僧正遍照、在原業平、文屋康秀、喜撰法師、小野小町、大友黒主の六人を指す。ただし「六歌仙」という名称そのものは後代になって付けられたものである。      ウィキペディアから引用
「山」と「風」で「嵐」という文字解きで、「荒らし」の掛詞でもある。嵐といえば、今の感覚では暴風雨を想像してしまうが、古くは山の中を吹く風を表したそうです。