歌枕を訪ねて(4)第六十四番歌「宇治」 第八番歌「喜撰山」


権中納言定頼の「宇治」と喜撰法師の「喜撰山」を訪ねました。

宇治川は源義経軍と源義仲軍の「宇治川の戦い」で佐々木高綱と梶原景季が先陣争いをし、承久の乱では幕府軍と朝廷軍の戦いの場となった所です。

宇治市史によると「うじ」とは「うち」を意味するとあり、周りが山に囲まれ、西は巨椋池に塞がれていて、これらの「内」にあることから「うじ」と呼ぶようになったとあります。

世間から離れて山でひっそりと暮らした喜撰法師の名は宇治茶の銘柄にもなっており、「上喜撰」というのもあるようで、幕末の狂歌にその「上喜撰」と黒船の「蒸気船」をかけて  [ 泰平の眠りを覚ます 上喜撰 たった四杯で 夜も寝られず] と詠われています。