(15) 君がため 春の野に出でて 若菜つむ
わが衣手に 雪は降りつつ(光孝天皇)
わが衣手に 雪は降りつつ(光孝天皇)
(歌意)貴方に差し上げるために春の野に出て、若菜を摘んでいる。
その私の着物の袖に雪がしきりに降り続いているよ。
Mother, for thy sake I have been
Where the wakana grow,
To bring thee back some fresh green leaves;
And see —my koromo
Is sprinkled with the snow! THE EMPEROR KWOKO
政界の有力者だった藤原基経は、実権を握りたいという思惑から光孝天皇(時康親王)を推薦し、彼の優しい性格を利用して在位中に関白となり、絶大な権力を維持していったそうです。この歌の「君がため」の君は藤原基経ともとれそうです。
この写真を撮影した年の冬は、全国的に降雪量が少なかった年で、飛騨の高山に「雪の積もった梅」を求めて行くと、ラッキーなことに飛騨天満宮に着くと同時に雪が降り出し、運良く撮れた写真です。