(27) みかの原 わきて流るる いづみ川
いつ見きとてか 恋しかるらむ (中納言兼輔)
いつ見きとてか 恋しかるらむ (中納言兼輔)
(歌意)みかの原から湧き出て流れる泉川の名のように
いつ見たということで、あなたがこんなに恋しいのだろうか。
Oh! rippling River Izumi,
That flows through Mika plain,
Why should the maid I saw but now
And soon shall see again
Torment my love-sick brain?
THE IMPERIAL ADVISER KANESUKE
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(28) 山里は 冬ぞさびしさ まさりける
人目も草も かれぬと思へば (源 宗于朝臣)
人目も草も かれぬと思へば (源 宗于朝臣)
(歌意)山里は冬になると、寂しさがいっそう優って感じられる。
人の往き来も途絶えてしまい、草木も枯れてしまうと思うと。
The mountain village solitude
In winter time I dread;
It seems as if, when friends are gone,
And trees their leaves have shed,
All men and plants are dead.
THE MINISTER MUNEYUKI MINAMOTO
飛騨地方の雪景 山里はいつも寂しく感じるものですが、冬はことさら寂しさが身に沁みます。作者の源宗于は、天皇の孫でありながら出世が思うようにいかず、侘しい自分の身と、冬には訪れる人がいなくなる山里の侘しさを重ねて詠んだ歌です。 |