(52) 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら
     なほ恨めしき 朝ぼらけかな (藤原道信朝臣)
 
      
     (歌意)夜が明ければ、やがて日が暮れ
         あなたと逢えるものだとわかっているが、
         それでもやはり恨めしい夜明けなのだなあ。

         Although I know the gentle night
         Will surely follow morn,
         Yet, when I’m wakened by the sun,
         Turn over, stretch and yawn—
         How I detest the dawn!
                   THE MINISTER MICHINOBU FUJIWARA
京都大原の雪景と宇治市源氏物語ミュージアム展示の牛車を合成
90年代のヒットソングで「別れの朝」という唄がヒットしました。ちょうどその曲の情景のようです。ただその曲は、次はいつ逢えるか分からない寂しさがあったと思うけど、この歌は毎日逢えると分かっていても別れるのが寂しいので、夜が明けないで欲しいと詠っているのです。
写真は、凍てつくような寒空の中での辛い別れの朝を表現しました。